日本とポーランドの文化の違いを感じる出来事があったので残しておこうと思います。
(トップの画像はイメージです。内容と場所は関係ありません😜)
最高気温6℃、最低気温1℃。
寒くなってきたワルシャワです。
先日、道端でとあるカードを拾いました。
銀行のカードやクレジットカードのような大事なカードです。
こういう物を拾った時、
たいてい裏側に「拾った場合はこちらへ送ってください」
と書いてあるはずと思い、よく見てみるとちゃんとポーランドのものでも
それだけ英語で書いてありました。
「よし送ろう」
しかしまず拾ったときに主人に言われたのは
「そういうのは関わらないほうがいいよ」
「持ち主が戻ってくるかもしれないし」
でも、放置しておいたら
誰かに悪用されてしまうかもしれない。
そうなったら可哀想だし、せっかく見つけたんだし
私はいつも見つけたときには送ってるの、と言って
持ち帰ることを許してもらいました。
その際に、「今何時?」と時間も確認しました。
どこで、いつ、何時ころ拾ったという情報があったほうが相手側にも
持ち主にもいいと思ったのです。
帰ってきて封筒にいれて、それらを書こうとした時のことです。
「宛先だけ書いて、あとは一切何も書くんじゃないよ」
え?日時も場所も何も?
こちらの名前さえも??どうして??
窓口で差出人を裏に書いたときに一度注意されたくらいなんだけど
全く何も書かないでちゃんと送ってくれる…?
記憶の中では一度だけ、確か以前企業からお礼の手紙をもらったことがあった気がして
お礼言われるのは嬉しいな、とそんな事もポーランドでもないかな、
なんて淡い期待もありました。
そしたら日本人はいい人だななんて思ってくれたりしないかな、なんてことも。
でもここからが私の文化の違いを感じたところです。
「名前や住所なんて書いたら、もしかしたら疑われるかもしれない。
なんでそれを持っていたんだって。本当に拾ったのかって。
詳細聞くふりして銀行や警察がコンタクトをとってきたら大変だよ。
どこで拾ったかや時間なんて書いたら余計トラブルのもとになるだけだよ。
送りたいならただ封筒にそのカードいれてそれだけにしな。
普通なら送ることすらしないんだから。」
と。
拾って送られてきたものすらも、
銀行から疑われてしまうのかとショックでした。
でも
ここでの生活を振り返り、日常を考えるとその考えも納得なのです。
本当にまず人が信用できません。
これはポーランドに限ることではないと思うのですが、住んだことがあるのが
日本とポーランドしかないので、この辺の文化なのか、
ヨーロッパなのか、白人的なのか、その辺はわかりませんが
少なくとも日本にいた頃にこんなことを言われても信じられない価値観が
ここにはあります。
悲しいことですがこれは本当に知れば知るほどそう感じるのです。
(無意識的に宗教観から信じる対象は人ではなく神だからなのかなと考えます🤔)
どれくらい信用できないかと言うと、
まず届くかどうか。
郵便がちゃんと届く確率が僅かかもしれませんが紛失がありえます。
郵便屋さんが100%信じられないという悲しさ。
そして銀行へ届けてもらったところで、受け取った銀行の人が
開けずにそのまま捨ててしまうかもしれない。
どうしてかと言うと、
見た目的にまず差出人が書いていないのが怪しい点。
そして、開けて「あぁ紛失カードか」と気づいてもらえたとしても
一個人それぞれによって対応が違うので
これを受け取ってくれた人の機嫌が悪かったり、
普段から仕事がいい加減な人に渡ってしまったら
持ち主さんに連絡してくれるかなんて保証はないのです。
これがまた杞憂ならいいのですが、結構あり得る話なのです。
日本じゃ考えられないのですが、「確かに…」と
納得できるくらいの日常がここにはあるのです。
ただそれでも、そうだったとしても、
自分は自分がすべきと思ったことをした。
悪いことはしていないと少なくともそう思うのです。
いいことかどうかも、ここでは価値観が違うので
もしかしたら
「そんな意味ないことをして」
「手間かけて切手代まで負担して、時間もお金も勿体ない」
そういった見方がここでは大多数なのかもしれません。
いいことをしたつもりだったのですが
余計なことだったのかな、
無駄なことだったのかな、
と少し悲しくなりました。
無事に持ち主さん(名前はポーランド人ではなかったので異国で頑張っている外人さんとしても)
に連絡が行って安心してもらえるといいな。
文化や価値観ってこうやって日々の日常生活の行動につながっているのだなと
改めて気付く出来事でした。