先日の出来事についてとても貴重な体験だったので
日記を書いておこうと思います。
前提として少し情報を書いておきます 
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★主人には学生時代にお世話になった物理の仲の良い先生がいて、
その方は77歳のおばあちゃん先生なのですが今でも交流があります。
そんな先生に先日お昼に御呼ばれしました。
こちらではよく家に人を呼んで食事やお茶を楽しむ文化がありますが、
その際には何から何まで全部やってくれるのが呼ぶ側。
準備を前もって手伝うという事はしません。(出来ません。)
呼ばれた側はゲストなので座って待っているのが仕事のう至れり尽くせり。
(勿論手土産は何か持って行きますが気持ちなのでなんでもOKです)
★主人はカトリックでもかなり敬虔なカトリックで今時のこの年齢にしては
ここまでやる人はいないくらいにしっかりカトリックのルールを守って生活しています。
そしてこのおばあちゃん先生はちょっとした有名人で、とてもとても敬虔なカトリック教徒。
先生が声をかければ知らない人のお葬式のミサでも「一緒に祈ります」と人が集まるほどです。
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前日の夜、先生から電話がかかってきて、
「明日なんだけど、神父さんも一緒にいいかしら。とてもいい人だから、ね!」
「いやぁ僕はいいけどカオリがどうかな…そしたら僕たちは他の日にするよ」
「何言ってるの!もう準備してあるんだからそれは駄目よ!大丈夫よ、本当に優しいいい人だから!」
という事で、行く事になったのですが、
私も話を聞いたときには
「えぇ!?私いていいの?邪魔じゃない?」と思っていました。
しかし先生には私も久しぶりに会いたいし、せっかく御呼ばれしたので行く事に。
先生、神父さんを家に呼んじゃうくらいなのか・・・さすがだなぁ。
そんな中に、仏教だか神道だか無宗教だかよくわかっていない自分です。
果たしてどんな雰囲気の会食になるのか。

(先生の部屋はイコンや写真が沢山あります)
当日。
正直、神父と言っても、
「要はお坊さんと一緒にご飯食べるようなもんでしょ?」
「ご飯だし私服だったら分からないだろうし、おじさん(だと勝手に想像)ならまぁご近所さんだと思えば…」
と思いながら少し早めにいってテーブルの準備を手伝っていたら、コンコンコン
来た!!!
どんな人が来たのかと玄関で挨拶している先生と主人の後についてゆっくり近づくと…
(ほ、本物だ!!!ほんものだーー!!!)
心の中ではウワー!と興奮してしまいました。
あれっ若い!!!
私はカトリックではないですが、キリスト教関係の映画は好きでバチカンのコンクラーベ関連は勿論、
エクソシスト(ホラーじゃない方)やダヴィンチコードも大好きです。
そんな映画の中で見るような、床まで長いロングスカートに大きなシルバーの十字架を
ロープで首からさげた若い神父さんが目の前にいたのです!!
学ランのような少したった襟に、
長袖、そのまま下までスカートのように長く、
腰の所には同じ布で太いベルトのような感じで腰を一周し垂らしている謎の布、
そしてこの衣装の下は意外と普通に黒いYシャツに黒いパンツを着ていて、
要は羽織っているだけなんだと後で教えてもらったのですがそんないでたち。
普段旧市街でブラザーを見ていなかったら、コスプレか!と思っていたことでしょう・・・
話し方もまさに神父さんのようで(いや本物なのですが
)ゆっくり穏やか。
微笑みが絶えず返しもなんて優しいんだというお話上手な神父さん。
正確には神父という訳だとちょっと違うそうなのですが、Ksiądz(クションツ)という位の方です。
ミサ出来るくらいの人なので神父でも間違いはないと思います。 

先生がキッチンで色々仕込んでくれていました。
これは茹でる前のニョッキのようなもの。この形は神父さんの出身地方のもので、
ワルシャワではあまりこの形では食べないそうです 
「午前中結婚式1件やってきたんだ」という神父さん。
「あの、ミスター、」
「僕の名前はウーカシュ(Łukasz)だから、ね。」と、
丁寧に呼んでたらすぐに名前で呼ぶように言われるポーランド。
年齢も立場も関係なくて、本当にいいのか?と思いつつ、
Pan(英語だとミスター)を使うとウーカシュだから、と言われるので
ここでもウーカシュと呼ぶことにします。
ウーカシュは今misjonarz(宣教師)だそうで、
世界中に行ってキリスト教を広めるとともに、
キリスト教なんだけどもちゃんとした神父さんがいない所へいって
その心?を助ける役目をしているそうです。
今度はパプアニューギニアに行くそうで。
宣教師って、ザビエルだ!!!
そう瞬時に思ったのですが、そういえばザビエルって日本では有名だけどもこっちでは
どうなんだろう?と主人に聞いたら、やはり知りませんでした。
そうですよね、宣教師なんて思えば数えきれないほどいますよね 
「ちょっと前までボスニア・ヘルツェゴビナへ行ってきたんだ、これはプレゼントだよ」と
マリア様のカードを頂きました。


(こんなカードをよくポーランドの敬虔なカトリックな人は家に飾っています)
マリア様が出現した?訪問した?という場所、
この場合はMedugorje(メジュゴリエ)のような所が世界中にはいくつかあって、
そこにはこうして地名の入ったカードが作られているそうです。
「え!?いま結婚式やってきたの!?あの前にいる人!?」
という私の基本的な質問から色々教えてくれたので、
ここで直接教わったことをシェアします。
質問タイム!
Q.神父さんってどうやってなるの?
A.神学校へ行って、勉強して、卒業試験受かって選ばれたらなれるよ!
Q.神学校って何してるの?
A.普通の大学みたいな感じだよ、普通に勉強もするよ。
Q.神学校からみんな神父さんになるの?なれるの?
A.50/50かな、やっぱり俗世間の方がいいって普通に家庭に戻る人もいるし、
もしくは試験に落ちる人もいるけど、半分はブラザーになるかな?
Q.どこに住んでるの?あの教会のブラザーがいるところ?
A.そうそう、教会の近くのそこに今はいるよ。
<服装について>
本当は帽子もあるようで、クションツの場合は黒だそうです。
そう、好きな人は知っているかもしれません、ウーカシュも言っていました。
「ユダヤ教と一緒だね」
元々私の中ではあの帽子はユダヤ人が被るものだと思っていたので、
何故法王(とその下の枢機卿とか)も被っているのかとても不思議でした。
ヤハウェは同じだから?とか。
普段は見ないですが、カトリックでも被るものだそうです。
ちなみに法王のみ白、
その次が赤(枢機卿Kardynał)、
その次がピンク(大主教Arcybiskup)、
それ以下は黒だそうです。
大主教ですら早々なれるもんではありません。そもそもお目にもかかれない。でも世の中にはいる。
枢機卿なんて凄すぎる。テレビでしか見たことがありません。でも世の中にはまだ何人もいる。
その上の法王(しかも一人しかいないので)なんて、まさに神レベルというのがこれで納得です。
Q.あれはどうして落ちないの?中に何かあるの?ピンでとめてるの?
A.何も無いよ。うまくデザインされてるんだよね 
でも髪の毛がない人はヒューっといっちゃうかもね 
Q.その服は暑くないの?
A.暑くないよ、ずっと着ているし慣れてるよ!
Q.飛行機乗る時もその格好で乗るの?
A.そうだよ 
Q.飛行機でその服装は苦しくないの?
A.そんなことないよ 
へぇ~そうだったんだ~!という事が次々と出て来て、
本当はもっといろいろ聞きたかったんだけども、
そもそも用があったのは先生の方。
何やらお話を色々聞いてもらっていて(私は内容が理解できなかったのでひたすら食べていました
)
先生が用意してくれたご飯はトマトスープにコトレトスハボヴィ、
サラダと桃入りレアチーズケーキだったのですが、
どれもとても美味しくてお腹いっぱい!
いつもは料理の写真を撮らせてもらうのですが
ウーカシュがいるし、ましてあの格好だし、雰囲気的に神聖すぎる…
撮っていいものかどうか分からず遠慮しました。
話がはずんでいる所でふと「ところで今は何時かな?」とウーカシュ。
「15:20だよ」というと、
「・・・えぇ!?・・・実は午後にも結婚式があるんだけど15:30だったかな16:30だったかな・・・」
えぇ!!!ウーカシュ!!神父さんいなかったら結婚式出来ないよ!!
本気でみんなでドキドキした時間でしたが、
携帯でスケジュールをチェックして(神父さんもスマホで管理するんだーと思ってしまった)
「あぁよかった、16:30だったよ
心臓がバクバクだよ
」
いや、ほんとだよ!と突っ込みたい所でしたが、お茶目な神父さんでした 
あと1時間あるとは言え、結婚式をやる教会が少し遠いので、
ウーカシュ!早めに行かないと!準備もあるでしょう!?
という事でちょっと急ぎ足であの服の上にベストを羽織って
(魚マークがついていました!さすが!)
ポケットをごそごそして入っていたクルフカをくれました 

「なんて聖なるクルフカ!このクルフカは特別だよ!」
と私はマリアのカードを貰う事よりもこのクルフカの方がとてもありがたいように感じました 
これは日本人として、普段食べ物に“いただきます”と感謝して食べるような文化で
育ってきたからでしょうか。食べ物の方がありがたく感じます。
(人生でマリア様のありがたみは感じた事ないですしね
)
という事で、非常に貴重な体験をした1日でした 
ウーカシュはなんとfacebookを通じて生中継で毎日ミサ?お祈りを一緒にできる動画を
配信しているそうなので、カトリックの方、ポーランド語ですが宜しければ見てみてください 
https://web.facebook.com/lukasz.msf?fref=ts
余談ですが、
この話を仲の良いポーランド人(信仰心は殆どない)の友達に話したら、
「えぇ!?クションツを名前で呼んでたの!?」
「えぇ!?そんな質問したの!?ポーランド人なら恥かしくて出来ないけど、アハハすごいね!」
「知りたくても聞けない事を全部聞いてくれてきっとご主人も内心嬉しかったと思うわ」
「私がその場に居たかった!なんてクレイジーなの!笑」
と、どうやら普段質問したくてもしないようなことをしたようで、
次会う事があるなら私もその場へ呼んで欲しいと言われました 
失礼があったのかは分からないですが、そんなことをしようもんならまず主人が私を止めるはずなので、
きっとそこまでの事はしていないと思います 
ある程度知識もあるので、それが本当なのか本物に確かめられるというのは非常に有り難い貴重な体験でした :)
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