
ついにビャオウォヴィエジャの森本体(?)へ行くときが来ました。
前日予約をして先にヨーロッパバイソンは見てしまいましたが、
この日は野生のバイソンが見れるかも?という事で朝から期待を胸に集合です 
既に待っている人達もちらほら。
髭と眉毛が立派な黒猫さんが座っていました 
ベラルーシ側にも行けますよという情報。
今回は向こう側へは行きませんでしたが、今度機会があればこちらも行ってみたいな♪
(※簡単に行けるものでもないようです。ツアーだったりホテルの予約をして
ポーランド側からのビャオウォヴィエジャの森から向こうの森へ行くという特別なものだそうです。)
説明を受けます。
この時、もしかしたら私以外全員ポーランド人だったのかもしれませんが、
ポーランド語のみの説明でした。
何人かは忘れてしまいましたが、3グループ出来て私はポーランド語のグループへ。
料金は頭人数で割る形式で、12人だったかな?でいたので二人で38złでした。
他に、英語は勿論他の言語にも対応したガイドさんがいましたが、日本語は勿論ありません 
まずは公園内の古い建物を見て回ります。
ここは武器庫だった所だそうです。
馬小屋だった場所や、当時のお屋敷などが残されています。
面白いと思う名前の所がありました。
ここは皇帝の宮殿だった所です。
ポーランド語であれば「Pałac Cesarski(ツェザルスキ)」のはずなのですが、
ここでは「Pałac Carski(ツァルスキ)」となっています。
Carは英語だと「Tsar(ザール)」もしくは「Caesar(シーザー)」なのですが、
どちらも皇帝のような意味です。
特にスラブ圏の王はシーザーではなくツァールと呼ばれるそうです。
このツァルはポーランドだとCezar(ツェザル)なのですが、
ここはロシアの皇帝が狩りをしていた場所でロシアに関する場所が沢山あります。
敢えて名前もポーランド語の「Cezar(ツェザル)」は使わずにロシアの単語を
使って「Pałac Carski(ツァルの王宮)」という名前になっています。
日本だと、外国の土地の名前は大抵その土地の発音通りに言うので
あまり違和感はないと思いますがこちらだとほとんどの名前は母国語の名前に
変わっています。
例えばポーランド語でイタリア(Italia)はWłochy(ヴォヒ)、
ドイツ(Deutsch)はNiemiec(ニエミエツ)など全然違います。
その為、この地で現地語を使っているのは面白いな~と思ったのです 
それくらい、ロシアとのつながりが深い所のようですね。
さて、敷地内を歩いた所で昨日来た博物館の建物まで来ました。
ここで森への入場料を払うようです。
今朝払ったのはあくまでもガイドさんへの料金でしたね 


ここでもなるほどー!と思う話を教えてもらいました。
大きなモミの木、この木はとても水を吸うそうです。
この下に入って足元を見るとそれもよくわかります。
この木の下だけ雑草すらも生えていないのです。
それほどに乾燥しているという事です。きっちり丁度木の葉が隠れるところまで
の範囲がこの状態だったのでこの植物の強さに感動しました 
ついでに沢山落ちていた棒のようなもの。
これなんだと思いますか? :D
これはリスが松ぼっくりを綺麗に食べた残りです 
こんなに綺麗に食べるのですね 
これも食べられるんだよ、と教えてくれた葉っぱ。
「Szczawik zajęczy」という名前。
日本語で調べてみたら「コミヤマカタバミ」
むしゃむしゃと食べた所、特にこれと言った特徴的な味があったわけでは
ないですけども
予想通りの緑の葉っぱの味、という感じです 
wikipedia情報ですが見てみたらこのコミヤマカタバミ、
“シュウ酸は食物の消化を阻害する働きがあるため、
この植物にはわずかに毒性がある。”
食べすぎには注意ですね 
この小さな洞穴には何が住んでいるのかな~♪
さぁいよいよ森へ行きます!
一度門を出て原っぱに出ました。
500mほどでしょうか、野原を歩いて完全保護地区へ行きます。
どこまで行っても平坦なポーランド。
来た道を振り返った風景です。
真っ直ぐな道、どこまでも広がる麦。いい景色でしょう 
ここから先は特別保護地区です。
1921年から保護されている古い古い森です。
入り口のドアはとても重い重厚な造りです。

入り口に書いてあるガイドにはこんなことが書いてありました。
1.この場所はライセンスを持ったガイドの同行(1グループ最大20人)のみ入場可能。
2.安全のため、嵐時・強風時・日没から30分後と日の出前30分までの夜は入場不可。
3.以下の事は禁止:
決められた場所から動くこと、植物や茸の採取、動物を捕まえる事、
煙草・火を使う事、犬や他の動物を連れ入れる事、うるさくする事、バイクの使用、ゴミを残す事。
「“とる”のは写真だけ、残すのは「足跡」だけ 」
最後の言葉はまさに自然を守っている方のお言葉ですね 
一足踏み入れたそこはこのような景色です。
正直「原生林」「ヨーロッパ最古の森」と聞いて、想像していたのは
屋久島のような森だったのですがまたうっかりしていました。
ここは日本ではない。
=気候も違う・地形も違う
=植生も違う
ポーランドの森というのは、日本でいう林に近いような気がします。
この木の割れ目は冬の寒さの温度差で割れたものだそうです。
森で聞こえる「パキッ」「メキメキッ」としたものは、木自身が発しているのも
あったのですね 
ここはワルシャワよりももっと寒くもっと雪も降ります。
至る所で見られたのは大きなキノコ。
木のように硬いキノコだそうです。
グループに子供達がいたのでガイドさんはクイズ大会をしながら
歩き回りました。クイズ大会は「この木は何でしょう?」という物で、
ポーランド語(単語)が分からないのでなんだか分からなかったのですが
これだけは分かりました。これは「Klon」=楓です。
ポーランドにはあまり楓の木はないのですが、
このビャウォヴィエジャの森では楓にだけコケが生えるそうです。
私は最初蜂蜜の香りが苦手でメープルシロップが好きだったのですが
その時にスーパーでシロップを探すために
「シロップ クロノヴィ」という単語を覚えていたのです 
木の皮に埋め込まれた・・・松ぼっくり!?
松ぼっくりが埋まるだけの皮なこの木もすごいのですが、
こんな高い所に何がどうして・・・!?
実はこれはキツツキの仕業だそうです 
リスも松ぼっくりを食べますが鳥も食べるそうです。
しかし食べたい種は松ぼっくりの奥の方にある。
そこで日当たりのいいところに置いて開くのを待つそうです。
頭がいいですね~!!
途中からこのような板の道を歩くようになりました。
折れた木もそのまますべてを自然のままにするのがこの土地です。

大きな穴があいた大木が横たわっていました。
何かが住んでいるのかな?遊び場かな?
この木は伝説の木だそうで、むかーしむかしの偉大な王様が旅の途中ここで腰を掛け
休憩をしたそうです。
ポーランドは王政だったので有名な王様は沢山いるのですが、ここに座ったというのは
カジミエシュだったかな…すみません何世かは忘れてしまいました。
とても立派な大木でした 
左の短髪の女性がガイドさん。そしてこの二人の男の子たちが教えてもらいながら
どんどん木の目利きが出来るようになって進むほどにガイドさんからの「この木なんだ?」クイズには
大人よりも早く正解を出していました 
そろそろ飽きてきたのか、子供たちもおとなしくなり、ひたすらパンをモグモグ。
食べ歩きはしていいのか!とびっくりだったのですが、ボロボロこぼしているので
その辺は自然保護に関係ないのかな?と思いました 
なので私たちも持っていたカバノス(細長いビーフジャーキー)を
食べながらもはやバイソン探しもしなくなりました 
最後にきた所は大戦時のお墓。
こんな森の中、こんな所でも戦いがあり、またこうしてお墓を作って弔う人もいる。
世界大戦は国と国、つまりはその国全土同士小さな村から森の中まで
全ての所で行われていたことを改めて感じました。
自然のアーチをくぐって、もうすぐ出口です。
結局この日、ヨーロッパバイソンも、せめて何かと鹿や野兎も
いないかな~と見まわしていたのですが、小鳥すら見ることが出来ませんでした。
バイソン自体は昼間でも見たことがある、と先生も言っていたのですが、
それでも当たり前にいるわけではなく。
ましてガサガサしながらこれだけのグループ(私たちにも沢山グループはあります)
で歩き回っていたらそりゃいないか、と少し納得。
運にもよると思いますが、夜明けツアーなんかもあるので、
本気で野生のヨーロッパバイソンを見るのであれば
人の少ない、そして動物が動く夜明けツアーがいいかもしれませんね 
この日の移動距離約13km,歩数は20005歩でした。
お疲れ様でした 

お腹が空いたのでどこかレストランに・・・と探していたら人気というレストラン発見。
こちらでは以前リトアニアはヴィリニュスへ行った時に食べた
ツェッペリンが食べられるとの事!なんと、あの料理がまた食べられるとは!
この旅行の思い出にお土産を 
木でつくられた可愛らしい鍋敷きです。飾っておくのにもとても可愛い!
キノコにどんぐり、どちらも可愛かったので両方買ってきました 
主人はスープも頼んで、出てきたスープが本当になんでも入っているスープ(レモンスライスまで!)
だったのですが、これがまた美味しい!
友人に後で聞いたら、このスープは余りものスープというそうですが、
それでも組み合わせを間違えればとんでもない味になるはず。
しかしこのレモンもお肉も胡瓜のピクルスも入ったスープがとても美味しかった。
料理の幅が広がります 
そしてお目当てのツェペリン。たった2つですが食べきるのがやっとでした。
周りはモチモチ、中にはひき肉が入っていてラードのソース。
これは茹でたものでしたが、焼いたものもあるのですが焼いた方がピエロギ同様
パリッと美味しいです

という事で、ビャウォヴィエジャ旅行記これにて終わりです。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
ポーランドの森にも少しでも興味をもってくだされば幸いです 
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<ビャウォヴィエジャ>週末旅行日記1
<ビャウォヴィエジャ>週末旅行日記2
<ビャウォヴィエジャ>週末旅行日記3(家と教会)
<ビャウォヴィエジャ>週末旅行日記4
<ビャウォヴィエジャ>週末旅行日記5
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