ポーランドの国立病院での経験をふまえて
「ポーランドの国立病院はこんな感じでした」という事を
書いていこうと思いますが、半分以上愚痴となります。
どうかご勘弁ください・・・
時系列に沿って書いていきます。
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0.まず受付に人がいないという事がありえます。
一体どこで何をしているのか。日本じゃあり得ないですよね。
受付をしないと何も進まないのにここに人がいない。2ヶ所あるのにどちらもいない。
上の写真を見ての通りしかも暗い。綺麗だけども半分暗いので不安になります。
そして受付中でも同僚とのおしゃべりが優先。
知っている先生が廊下を通ればお構いなしに声をかけ世間話を始めたり。
「あの足音はあの先生よ、ほら!」
「こんにちはドクター○○!今足音で分かるって話してたのよ!」
「え?何のこと?」
「今来るのがわかったってこと!」
「どうでもいいわ、じゃあね」
そんな感じの、まさにどうでもいい話を患者となる人が目の前で手続きを待っているのに
する・・・マグカップの紅茶を飲みながら。のんきなものです。
スーパーのレジの日常風景ですがまさか病院でもだなんて。
また後日の受付の人、診療中に先生と同じデスクに座っていて、一緒に話を聞いていました。
(勿論マグカップ持参で。こんなことをしているから受け付けに人がいないのでは…)
看護師なのか受付事務の暇つぶしなのか、あれ?さっき受付にいなかった?
ここにいていいの?と謎がいっぱいです。
1.待ち時間がとにかく長い。
国立病院に予約や番号札というものはありません。とりあえず行って待つことしかできません。
基本的には国立の病院であれば、毎月保険料を払っているはずなので、病院での支払いは0。
全てが含まれているそうです。これはいいですね、何割負担、ではなくすべてだそうです。
ただその分ものによっては非常に待ちます。
3か月待ち、半年待ちなどもあります。それもあって体力のない人は自然淘汰されていくようです。
日本でも大学病院は待ちますが日をまたぐことはないですよね。
2.プロフェッショナルを全く感じない
これは病院に限った事ではないですが、
「この人は本当に事務の知識あるのだろうか?」と思うほどパソコンの操作や、
何の書類が必要かなどがスムーズにいかず、
結局これも人によってやるべきことの量を分っていないので
後で違う人が「誰が以前この紙あげたの!?」と怒っていたり。
わからないことは丸投げです。そして次の人が困る、と。
受付が終わって、あとは待ちます。廊下に並んで座りますが非常に数が少ないです。
30分ほどでしょうか、待っていると
(金)看護師「〇〇さん、今日は混んでいてあと2時間半はかかります。」
そんなに混んでるなら何故最初に言わないんだ・・・(見た目にはそんなに混んでいなかったので待っていました。)
時間をつぶしにどこかへ行こうと思いましたが、すでに夕方。
3.人によって意見が変わる。
「じゃあ明日でもいいですか?」
「えぇ、その方がこちらとしても助かるわ、明日の朝(土曜日)ならそんなに待つこともないと思うわ」
朝ならそんなに混んでないはず、と翌朝にすることに。
そのまま入院の可能性があったので2泊分の荷物も持って。決して家から近い距離ではありません。
がしかし。翌朝来て、また受付し、待った後の診察室にて。
(土)先生B「うーん週末は忙しいから緊急度が高い人優先なの。あなたは痛みもないし熱もないんでしょう?
だったら・・・ねぇ。今日入院してもいいけど何もできないわよ、ただここで寝るだけ。薬もあげられないわ。
でも家でもあげられないから全く意味ないわね、月曜日に来て。まあでも月曜日には手術しましょう」
え?何もしてくれないの?だって昨日土曜に来いって言われたんだけど?
薬さえも出してくれないの?ベッドあるっていってたのに?
イライラしつつも、また帰りました。せっかくの土曜を朝早くから無駄にしました。
そして月曜日。
(月)先生C「痛みも熱もないんじゃねぇ、まだ大丈夫よ、自然排出を待った方がいいわ。
勿論手術してもいいけど…でもあなた次第ね、何度も言うけど人に寄るのよ、自然が一番よ。
それにあなたは今緊急じゃないのは確かよ。どうする?ねえ、で、どっち?」
ここで私、もう嫌になる。
主人も私次第というけども大した説明なく、どっちがいいと言われても分かりません。
緊急じゃないのは分かっているけど緊急状態になってからじゃ遅い。
日本ならしっかり分かりやすく説明をしてくれるのに何もしてくれない上に全部丸投げ。
結局分かったのは痛みや熱がない人はまっとうに診てもらえないという事。
いつまで待っていていいものなのか。そんなに長く、成長が止まったいわば腐りゆくものを体内に置いておいていいのか。
助産婦の幼馴染に聞くも、日本ではそもそも自然流産はあまりせず、半日入院で痛みもなく手術もすぐに済むそう。
それに長く置いておくとウイルスに感染して熱や頭痛がするとのことで、だから日本では早く出していると聞いたので
だったら初日からすぐ手術してもらいたかったけども、頑なに手術を嫌がっているように見える。
これは何かあった時のリスクにとてもおびえていて、責任を一切取りたくないという文化もあるそうですが、
私もそんなに嫌がるってことは経験も少なければきっと日本ほどの技術も機器もないんだろうと不安になり
自分の体を信じることに。
私の「いつまで待っていいものなのか」「痛みはこの後出てくるのか」などの質問には
すべて「人による」としか答えてもらえず、それでも常識の範囲があるだろうと頭に来たので
「じゃあ1年待っててもいい訳?」と聞き続けたら、
「少なくとも妊娠12週目までには出した方がいいわね、わかったわ、あと1週間。
あと1週間で出なかったら手術ね」
12週目というキーワードをやっと聞き出せたところで、結局は手術をしたくないのがひしひしと伝わってきたので
いいっていうならじゃあ帰ります。12週目まで様子見ましょう。
ちなみにこの先生Cは一番まともで一番知識もあって英語でも説明してくれていつもこの人ならいいのにと
思った人でした。
************************そしてその1週間以内のある日。************************
2016/10/8(土)
クラクフへのガイド出張中の出来事でした。
夜中の3時、ふと目が覚めました。そしてお腹が痛い。お腹というよりも子宮がキューっと痛い。
波があって耐えきれないほどではないけども初めての痛みに焦り、
「何なんだこれは・・・まさか!」と思いながらネットで調べることで少し気を紛らわし、
どうやら自然排出(自然流産)が始まったことが分かりました。
とにかく痛い、どんな体勢とっても痛い。
自然排出は小さな出産とも言われているものだそうで、出産経験のない私にはそれはそれはつらいものでした。
30分考えた結果、夜中だけども、これ以上痛くなったらどうしようと不安になり、
主人に電話は悪いと思ってメール。すると夜中にも関わらずすぐに返事が来て少しホッとしました。
主人の「痛み止めでもあればいいんだけど…」の文字に、
「え!?飲んでいいの!?」
いいそうです!きっとこれが本当の陣痛だったら飲めないですよね。
しかしまだこの時朝の5時前。
近くにコンビニがあることは分かっていたけども開くのは6時。
コンビニ自体少ないですし、まして24時間なんてそうそうありません。
この1時間が本当に長かった…陣痛の波が本物の数分の一だと言いますが、
すでに非常につらい…ううぅぅぅという言葉がぴったりの状態でした。
しかし出すもの(子供)もないのである意味これも大変でしょうか。
これできっと本物の妊婦ならば出てくればこの痛みもなくなるんだろうな、
そして嬉しくて忘れるんだろうな、と思いつつ、とりあえず主人とチャットをしながら気を紛らわせました。
自然排出と言ってもネット上で読んだ体験記と比べるとそこまでではありませんでした。
ただトイレにいた方がいいだろうなという位で、ずっと座っていたいけども
眠い&トイレの穴が大きくてお尻が落ちそうになるので座っていても楽じゃないことから
ベッドとトイレを行き来していました。足もつかないのでうまく踏ん張れないですしね・・・。
コンビニにも痛み止めの薬くらいはあるはず、と頭にあったので大変申し訳ないとはおもいつつ
お客様へメールしたところ、すぐに返事がいただけて朝一で痛み止めを買ってきていただけました。
そして6時過ぎ、部屋まで来てくださり早速服用するも効かない。
2つまで飲んでもいいということなので2つ目服用するもしばらく効かない。
そんな状態なので主人をクラクフまで来てもらうよう呼び、お昼頃やっと寝ることが出来ました。
この日は一番私も気合を入れていたクラクフ1日ガイドの日だったのにまさかの事態。
事前にお伝えしていたのはいたのですがまさかここまでひどいとも思わず大変申し訳なかったです。
当日朝薬が効いたのもあって、持ってきた地図に書き込みをし、説明をして、私は休ませてもらいました。
前日までに何度か一緒に歩いたのもあって迷わず楽しんでもらえたようです。(本当に良かった・・・)
翌朝は帰国だったお客様をお見送りし、私たちもワルシャワへ。
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自然排出してしまえばあとはもう病院のすることはない。
しかし、一応検査のために少ししてから病院へ。
この間に自宅でのシャワー中にスルッと何か塊が出てきたので「これか!」と思い、
もう子宮は綺麗になっていると思いました。
そしてある日病院へ。
受付でまた1から説明し全ての資料と今までのカルテを見せて、診察。
ここでもまたすったもんだがありました。
この日はガラガラ。あまり待たなくて良さそうだね~なんて主人と話していたけども
意外と待つ。待っている人も人がいなくなってから
「あら、あなた待っている人?」とたまたま診察室から出てきた人に聞かれ、
名前を言ったら通してもらえたという呆れる対応でした。
勿論中には数人の医者か看護師がいてお喋りしながら過ごしていました。
ちなみに今まで1度も同じ先生になっていないので毎回合ったことをすべて話なくてはならず、
カルテも資料もあるしおそらくパソコンで毎回何か打っているのであるんだろうと思うのですが
1から聞いてくるので「そこに書いてあるじゃない、また1から話さなきゃいけないの!?」と思わず反抗。
主人が1からすべて説明して、まずは中の検査。
ピンセットでとれるくらいあったり、USGでも見てみる。
先生D「うーんまだまだたくさん残っているわね。」
「で、どうする?入院する?明日来る?」
いや、いきなり聞かれても、その違いはなんなの?しかし説明が早口な上にまとまっておらずよくわからない。
「で、どうするの、どっち?」
「ええと、今夜入院すると薬がもらえて明日手術は確実にしてもらえるんだよね?で、明日だと?
また来て診察を待つってこと?USGも?」
「そうよ。」
だったら最初からそうやって説明してくれ!
後者を選ぶ人がいるのだろうか、いや今の状態からして明日また来るという選択肢を与える
意味が分からない。この頓珍漢な質問に、
「明日来たって損しかないじゃない、もう3回も来てて後回しにされてるの!
何のために今これだけ待って、やっと診てもらえてUSGもしたのに明日来たらまた1から?USGも?
今夜から薬がもらえるならそりゃ今入院しますよ!」
とはっきり言って入院手続きへ。
若干の嫌そうな顔も見られましたが無視。もう我慢できません。早く終わらせたい!
いくら自然排出後とは言え、痛みもあると言っている患者を前にしてなおすべて丸投げの対応に
イライラしました。
ちなみにこの先生、私の前に受診していた人に
「あなたその前に精神科行った方がいいわよ、すぐにキレ過ぎだわ」と言っていた模様。
(前の人が出てきたときにそう言われたと怒りながら出てきてご主人と
「1時間半も待たされたらそりゃイライラするわよ!」と私にも聞こえるように文句を言いながら出ていきました)
この先生配慮ってものもないのか・・・。
態度も悪かったし、産婦人科先生が言っていいものじゃないでしょうにね・・・。
更にびっくりの連続。
4.病院の清潔さを感じない。
そもそもどこに行っても診察台の上に携帯が置いてあって鳴ったり、お茶飲みながらの診察だったり、
意味もなく看護師が入ってきては笑っててまた出て行ってとどこも落ち着かない雰囲気の病院内。
この時USGをしてくれた主治医はマスクをせずに検査をしていました。
そしてよし!入院!となった後、
「あなたポーランド語わかる?」
「えぇちょっとですけど」
「あら、それだけ分かれば十分ね、はははー!」
「でも病院は初めてなので不安です・・・」
「大丈夫よ!ほら笑顔!心配しないで!」と陽気な看護師さんに連れられ血液検査をするためにある部屋へ。
しかしそこは事務室?給湯室?いえ、一応ちゃんとした検査室のようですが、ばたばたと色んな人が行き来し、
荷物もその辺においてOK、アクセサリー、髪型自由、
看護師は誰一人マスクもしておらず、清潔感と言えばナース服のみからだけ感じましたがあまりにも適当で不安に。
採血と言っても部屋の端に椅子があるだけ。
更に採血後5分間は抑えていなければならない、と誰もが強く言う中、
「あのーサインが必要なの、ここにサインして」と入院に関する資料なのかなんだかわかりませんが
何枚も署名をしなければならず、人が次々に。
しかし誰もが見ればわかる私の右腕の状況。
そしたら、押さえているから、と抑えられ内容は主人が読んでOK,サインしましたが、5分くらい待てないのか!
その書類の内容も本当にいちいち「私は承認しました」=「やった方は何があっても責任持ちません」というようなもの。
何でもリスクはつきものだと思いますがここまでやられると余計に不安になります。
以前入院しなかったことの理由の一つに、
先生Cに「病院は家よりウイルスが沢山あるから家の方が安全よ」と言われたことがありました。
「え?病院の方が綺麗じゃないの?まして産婦人科のみだしインフルエンザとかもなさそうだし…」
と思っていましたが、それ以前の問題でした。
こんな自由に一般人も部屋に入れるならそりゃ外からの菌も入り放題だ。
そしてやっとこばたばたと部屋へ。
部屋は新しく主人もびっくり。私も見たことのある他の病院の部屋とは違うので少し拍子抜け。
2人部屋で綺麗なベッド(リクライニング出来る)でベッドも離れているし、
部屋にトイレもシャワールームもありました。ただ石鹸、タオル類は一切なし。初めての入院に興味津々でした。
勿論十字架も。そして早速薬を入れられたので1時間はすぐ横になっていなさいとのことで、
とりあえず着替えもせずそのままの格好で横になりました。
この時は一人だやったー!と喜んでいましたが22時過ぎに同じ症状の方が来ました。
カーテンがないのはちょっとあれだなと思いつつ話したらいい方で安心。
主人も、1人より誰かいた方がいいよ、とのことで私もまたさらに安心。
ちなみに部屋では携帯も使ってOKだったので時間をつぶせてよかったです。
消灯もなく誰も来ることもなく、全てが自由でした。
余談ですが私は非常にビビりで、思えば夜の病院なんてホラーの巣窟…
がしかし、ポーランドのホラーはあくまでもゾンビなので
夜中の丑三つ時でもなんとなく怖くないなーと思いながら寝ました。
文化の違いでここまで感覚が変わるのもびっくりです。
愚痴は続きますが書きたいことがあるのでまた。
次回は初めてポーランドで差別を感じた出来事です。
*この投稿は「ご心配おかけしました。」の続きの投稿です。
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