“BOLESŁAWIEC”
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ザクワディ・ボレスワヴィエツ社のマーク(2種類)
種類というのもただ色形だけではなく、 作っている会社が沢山あること、
会社によって違う事もあることも踏まえて、
ずっといまいち納得いかなかった「オーブンで使えるのか」問題について書こうと思います。
現在日本だけでなくアメリカやその他の国でも人気があるボレスワヴィエツ。
ポーランドに来た際のお土産として購入するだけでなく、オンラインショップが多数存在します。
その中で、以前こちらでも書きましたが
ボレスワヴィエツでもオーブン使用不可の物があり、その見分け方は底のマークである
という事を知り、
そういった情報を私が見た限りのオンラインショップページではどこも載せていない。
それどころか、ザクワディ・ボレスワヴィエツ社のものも含まれているのに
全部使用可能と当たり前のように書いている。
では、私がこちら(ポーランド)で実際に店員さんに教えてもらった見分け方はなんなのか?
私は現地の人の言葉を信じたいので、
実際にオンラインショップに問い合わせをしました。
3社問い合わせました。
まずはメジャーなところなら知っているだろうと思い、
「ポーランド 陶器」と検索して最初に出てくる「ツェラミカ」というオンラインショップへ問い合わせをしました。
全商品に当たり前のようにオーブンウェア以外の商品にもオーブン使用可のマークをつけており、
説明の所にも「ボレスワヴィエツ陶器は、電子レンジ・オーブン・食器洗浄機をお使いいただけます。」
と真っ先に堂々と書いていたからです。
その根拠が知りたいと思い、
実際公式ページでは使えない商品があり見分け方も書いてあることについてツェラミカではなぜ全部使えないはずのものまで「使えます」と書いてあるのか、
私の実体験で直営店(ザクワディ・ボレスワヴィエツ社)の店員にも見分け方を教えてもらい全商品がオーブンで使えるわけではない と聞いたことについて問い合わせをしました。
内容としてはこのような返事でした。
“弊社では毎年、ポーランドへ足を運び直接窯元の方と、お話しして、ネットショップで販売させて頂いております。 その情報をもとに、商品の使用方法などをネットショップ上で、ご説明させて頂いております。”
しかし同じメールの中で、この数行後にはこうありました。
“お客様ご自身もポーランドに行かれて、店員さんにお話しを伺われているようですね。
こちらでは店員さんのお話しを、直接お聞きしていませんので、どちらが正しいのかという事は分かりかねますが、弊社のHP上の説明と、 メールでお伝えしました情報を一つのご参考として、 お客様ご自身がご判断して頂ければと思います。”
私が聞いたのはいわば窯元の方と近い現地の人で
その人が使えないと言っているものを使えると売っているから、 その使用可能だという根拠についてメールで聞いているのに、 なんの知識もないメール(進行中)で、結局自分で判断しろ言われても・・・。
その他はただのコピペ文だったので結局話しそらしてごまかしてるだけだろうなと思いました。
納得のいく説明も全くなく責任も一切感じられませんでした。
確かにこのお店の方々は私が行ったお店(ザクワディ・ボレスワヴィエツ社直営店)の店員さんと話しをしてはいないかもしれません。しかし、直接窯元と話をしているのであればまともな説明が出来るはずです。
それにもかかわらず、このメールのやり取りの中でのオーブンが使える根拠として、
・購入されたお客様がオーブンで使っています
・色んなブログ見ても使っている方沢山いますよね、というネット上の一般情報
・私どももオーブンで使用し、ブログにも載せています。見てください。
それが使用可能な根拠??? 販売者としての責任すら感じられませんでした。
自分でブログに載せたらそれは使えるものとして大々的にオンラインショップで「使えます」と売っていいのでしょうか??
ブログ見ているだけなら、使っている方も多くいますが割れたという人もいましたよ。
やり取りの中でも、オーブンの使用可否について話しているのに、
「電子レンジと食洗器では使えます、ちゃんとマークを見てください」と言われ、
いやいやそんな話はしていませんけど、とびっくりしました。
このようにすぐに話がそれてしまって肝心の使用可否についての専門的な根拠は一切聞くことが出来ず、
ほとんどの文章がコピペだろうと思われる内容だったので調べる気すらないのもわかりました。
このお店は「みんなが使ってるからOK」というスタンスのようです。
個人的には全く信用できませんのでこのお店からは今後も購入することはないですし
買おうとしている友人がいれば私は止めます。
(こんなお店が検索で最初に出てくることにびっくりです・・・)
完全に平行線だと気づいたのでそれ以上聞くのはやめました。
問い合わせ2件目のgoogle検索で2件目に出てくる「ケルセン」は
返事がなかったのでもう一度送りましたがいまだに返事がありません。
後日丁寧な返事が来ました!→こちらからどうぞ!
3件目は、たまたま調べている最中に都内に「アリーチェ」というお店
(正確には月に数回だけ一般公開しているお店)を見つけました。
経営されているS&A株式会社はマニュファクトゥラ社公認の会社だという事を知り、
この方ならご存知かもしれないと問い合わせメールを送ったところ、
代表の方自らがお忙しい中とても詳しく教えて下さりました。
ボレスワヴィエツが好きな方、お持ちの方、購入予定の方にも是非知っておいてほしいので
ここに教えていただいたことを残します。(代表者様貴重な情報ありがとうございます。)
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まず基礎知識として、
“ 技術的に見ますとボレスワヴェツ陶器は素焼きで850度程度、本焼きで1250度あたりで焼き上げますのでオーブンでの250度近辺の温度では影響を受けないと言うのが理論的な見方です。 実際マヌファクトゥラ社の商品は全てオーブン対応としています。”
そんな高温で焼き上げているのですね。そんな高温に耐えて出来たものであれば、家庭で使う温度程度では影響がない=だからこそオーブン使用可能というのが一般的な考えですよね。
こうした基本的なことからしっかり教えていただけてこれだけでもすでに納得できてしまうくらいですが、
代表のH様はさらに詳しく教えてくれました。
ではなぜザクワディ・ボレスワヴィエツ社ではオーブン使用不可商品が存在するのか。
“ 陶器の土は1種ではなく3種ほどの特性の違った土を各社独自のノウハウで混ぜて作ります。 その際に焼成温度が低くても焼き上がる土を使えば見た目は変わらぬ陶器になりますが高温で使用した場合に亀裂等の問題が発生します。
土の焼成温度から見ると使用可否の判別は出来ないと言うのが普通ですが、 例えば陶器に使用する土を変えて焼成の温度を下げることによって本来より短い時間で焼き上げることが出来ます。 これを行うとどういうメリットがあるかと言いますと生産数量が稼げる事になり、 安価に大量に生産する事が可能となります。”
ここでものすごく納得しました!
普通にボレスワヴィエツとして陶器をすべて同じように焼いていればそもそもオーブン使用不可というものは出来上がらないはず。 なのに、そこで使用可能商品とそうでないものを分けてあるという事は 何らかの違いがあることが考えられます。
その違いを出すためには、あれくらいの溝を入れたくらいでは使用温度が変えられるほどの違いは出せません。ですのであれはあくまでも見分けるためだけの物ということが分かりました。
そうなると、そもそも土の配合を変えているからではないのか、ということが考えられます。 これはあくまでも事象からの推考ではありますが概ね正しいのではないかと思います。 だからこそこうしてザクワディ・ボレスワヴィエツ社のアウトレットショップがワルシャワにまで出て安く販売できている、販売しているものはオーブン使用不可商品も沢山あるので、値段の安さにも理解できます。
“一言で言えば「安かろう悪かろう」になりますね。”
おっしゃる通りですよね。
高い物にはそれなりの理由があるから高い。
以上のことから、確定的ではありませんが使うのならやはり壊れてしまっては勿体ない。
会社側で使えないとして売っているものであれば、使わないのが一番賢明ではないか、というのがH様のお言葉です。私も同様に思います。 消耗品には違いないと思うので、そんなの気にしないわ♪という方ならもちろん使われても全く問題ないと思います。ここからは個人判断です。私もどうしても「これを使いたい!」という時がくれば使うと思います。なんてったってどれも可愛くて^^オーブンでも使いたい!!
とても丈夫で長く使えるボレスワヴィエツ、どうせ買うなら理解したうえで購入すれば
今後使用するにあたっても安心して使えます。
S&A株式会社様分かりやすいご説明ありがとうございました。 では、まとめです。
ザクワディ・ボレスワヴィエツ社以外にも沢山あるボレスワヴィエツの会社(のマーク)↓
<まとめ>
*オーブン使用不可商品があるのはザクワディ・ボレスワヴィエツ社だけ。
*底の溝はただの目印というだけで焼き上がりに関係するものではない。
*技術的には高温で焼いているので家のオーブンの温度では影響はないはず。現に他の会社のボレスワヴォエツは全商品オーブン使用可能となっている。
*オーブン使用可否が存在するにあたって、オーブンでは使わないと思われる商品や安く早く作る大量生産品には、それなりの土の調合で作っているのではないかということが考えられるので、工場内部を監視したわけではないので果たして正しいかどうかはわからないが、会社が使用不可としているのれあればそれに従って使うべきである(使うなら自己責任)。
オンラインショップで買う時には、どこの会社の物か、 もしザクワディ・ボレスワヴィエツ社であれば底の写真がない場合は見せてもらうなど 買う前にしっかり確認されることをお勧めします。
おまけ *VENA社はボレスワヴィエツではなくヴロツワフのものである。
“VENAというメーカーがありますがここはボレスワヴィエツ陶器ではありません。 定義としてボレスワヴィエツ陶器=ボレスワヴィエツの街中およびその近郊で伝統的手法を用いて生産される陶器を指します。 このメーカーはボレスワヴィエツの街から約150キロほど離れたブロツワフという町の郊外で生産を行っており素焼きされた物をボレスワヴィエツの小さな工場より買ってきてそれに絵付けをしているだけのメーカーでした。最近は一部土を買ってきて型押しして生産しているとの情報を得ました。150キロといえば名古屋―京都間、名古屋で作った京都の清水焼という感覚でしょうか”
なんと!!!
VENA社の商品もボレスワヴィエツとして売っているお店は沢山ありますよ!!!
これでは厳密にはボレスワヴィエツとは言えませんね。
もちろん「ポーランド陶器」という括りならいいのですが、
「ボレスワヴィエツ」の名前を語って売るのはアウトだと私は思います。
ブランド名ほど大きな宣伝はないですからね・・・これはいいことを教えてもらえました 😛
改めて感謝です。
ということで、 もしお手持ちの商品がザクワディ・ボレスワヴィエツ社のものでしたら、一度ご確認ください。
*これら情報は都内にある唯一のボレスワヴィエツ マニュファクトゥラ社公認のS&A株式会社様より教えていただきました。
マニュファクトゥラ社のものは全商品オーブン使用可です。
こうしたしっかり知識もあり、正しい情報を持ったこちらで商品を購入することを強くお勧めいたします。
S&A株式会社様の実店舗である「ポーリッシュポタリーショップ アリーチェ」が都内にあります。
ボレスワヴィエツ陶器がお買い得価格で購入できます^^
詳しくはこちらの記事★都内にボレスワヴィエツショップ発見!★からどうぞ!
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