Opatów
先日初めて車で小旅行へ行って参りました。
行き先はサンドミエシュというポーランド国内では有名な観光地です。
片道約3時間の距離をとにかくひたすらまっすぐ!
高速道路なんてなくても、郊外の道路はすでに高速のようなもの、
信号は滅多になく、道も広く、みんな飛ばしています。
ということで、サンドミエシュ旅行を通じてポーランドの田舎町を
紹介していこうと思います^^
まず向かったのはサンドミエシュの少し手前にあるOpatówという町。
↑地図を拡大すれば分かりますが、オパトゥフはもうほぼサンドミエシュです。
なので、とにかく車を走らせブーンと約3時間!!
9:00 出発。
天気予報は週末ずっと雨。しかしここはまだ曇り。
1時間も走らせると、もうすでに
「ここはどこ?」と思うような何もない風景に。
桜のような、でも桜ではないのだと思いますが、
往路では道沿いにずっとこの木が植えられていました。
いけどもいけども、この木。
「随分あるな~何の木だろう?」
そういえば先日K様に「アーモンドの花って桜にそっくりなんだよ」と
教えていただいた事を思い出して、
アーモンドの花を調べたら、本当にそっくり!!!
花を咲かせるのも3~4月と桜の時期と同じで、見た目もそっくり。
そういえばアーモンドってどう生るか知りませんでしたが、これで調べてびっくりしました。
アーモンドってこうやってとれるのですねぇ。(是非調べてみて下さい^^)
ポーランドはナッツ類も良く採れるのできっとアーモンド園地帯だったのかもしれません。
本当にたまにでしたが、ビニールハウスも見ました。
多分中はお花だと思います。
日本の畑で見るような半ドーム型のビニールハウスは1度も見ませんでした。
この大きなハウスも、あと1回別のところで見かけただけで、あとはただの畑でした。
ピクニック気分で、車の中で朝ごはん♪
A様にいただいたオランダのチーズが美味しくて美味しくてこの日も持ってきました♪
途中松林を通りました。
どこまでも続く、入ったら出て来れなくなりそうな、そんな林がポーランドにも沢山あります。
吸い込まれそうな林でした。
主人曰くこんな林には間違いなくイノシシや鹿、野うさぎがいるそうです。
秋になったらキノコ採りにもぴったり!^^
ポーランド(ポ-ラ=畑・平地)という名前の通りの地形です。
並木道をひたすらまっすぐ。この辺りからアーモンドはなくなり、
菜の花畑がそれはそれはとてつもない広さで縦長に咲いていました。
以前湖水地方に訪れた時に、こっちの方はほんとに田舎なんだな、と思っていたのですが、
ワルシャワから1時間も走らせれば場所によってはそこと同じ位、本当に何もなくて、
あるのは畑と家。こんな近くにこんな田舎があったのかとびっくりしました。
スーパーどこにあるんだろう?どこで働いてるんだろう?とも思いましたが、それよりも、
「ここで暮らす人達は、特に若い子たちは、ここからでないで、
ここの文化でずっと過ごしていけたらきっと幸せだろうな」と思いました。
知らないで過ごす事の幸せさってありますよね。
TVがあるので、他の地域がどれだけ発展していて、ファッションだったり近代的なものだったり、
ここにはない違った魅力的な物が沢山あって、
それを当たり前に生活している同年代の子達もいることを知ってしまうわけです。
それで、地方から都会へどんどん出て行ってしまって過疎化が起きているわけですね。
しかし、まだ日本ほど都会への憧れはないようにも見えます。
勿論、子供たちは出たいかもしれませんが、経済的理由が大きいとは思います。
それでも、普段の生活も楽しそうなんですよね。
村単位ではなく、もう家族単位、それくらい小さな世界かもしれないけども、
その土地だけで、この自然に囲まれて、広い庭と犬だったり馬だったりヤギがいて、
いつも分かり合える家族と一緒で、変に比べる相手も無く、いても気にしない。
ファッションモールなんかない、マクドナルドも無い。でもこれが当たり前。これが普通。
あったらいいかもしれないけどなくてもいい。
自分達の好きなように生きて、誰にも文句言われない、無駄に気にする事も無い、
自分達の世界を持てるというのは、いい暮らしだなぁと車窓から思っていました。
「こういうところに住みたいと思う?住める?」と主人に聞いたら、
「高速インターネットと釣りが出来る所があったらいいなぁ~(住んでもいいなぁ)」とのこと。
趣味&仕事がIT関係なので、インターネットは必需品となってしまうのが現代的なのですが、
それ以外は基本自然・アナログ派な私達なのでこんなところもいいですね。
日本は「人を思いやれる・気遣う・気がつける文化」が根本にあると思うので、
その分他人からの視線にもナイーブですよね。(最近少し変わってきてる気がしますけど・・・)
人の目を気にして、「周りにこう思われたくないから、こう言われちゃうから」と、
勝手な悪い想像を理由に、自分のやりたい事も止めてしまう。そしてそれで勝手にストレスを抱える。
しかし、それが想像で止まらず実際そういう陰口もあるから考えものでは有りますが、
協調性はここから生まれるのですよね。これは生きていく上ではとても大事な事です。
自分の好きなようにやる人は、一方では羨ましがられ、もう一方では「協調性が無い」「自己中心的だ」と
僻まれる事もあります。何も我慢していないわけではないのに。
ただ何事も「いい塩梅」です。これが一番。適当じゃありませんよ、いい塩梅です。
好きなようにやる人の中にも、ただの迷惑な人と、憧れる人といます。
前者は、ただの勘違い野郎です。痛い目みないと止まらないでしょう。
後者は、経験があるからこそ、全てにおいての塩梅加減がとても上手な人だと思います。
もしくは、そもそも陰口を言っている方に問題があるかもしれませんが、
なんにせよ、その加減は経験しないとつかめませんね。私にはまだまだ経験が足りません。
「いい塩梅にね」小さい頃から好きな言葉です。
話が大きく逸れてしまいました。
あの広大な畑で手伝いをしていた子供を見て、色んな事を考えてしまいました。
そうこうしているうちに、オパトゥフ到着。
今回は主人が旅行の計画を全部立ててくれたのです^^♪
「サンドミエシュ付近には沢山見所があるんだ!まずここだよ♪」
というのがこのオパトゥフにある教会でした。
まず出迎えてくれたのはこちらの
「Brama Warszwska」=ワルシャワ門
何故ワルシャワという名前がついているのかは謎ですが、
この門の基礎は1520-1530年代に作られたものだそうです。500年前!
16世紀初頭に立てられた門の中で、現存する4つのうちの1つだそうです。
門についているマリアには1920の文字もありますから、
これはもともとはもっと古いのかもしれませんね。
2008年に直したようです。
坂を上り、上にある教会へ。崩れた塀が古さを感じます。
ここもやっぱり、中はレンガで造られていますね。
コンクリートの塀に、コンクリートの門。
色合いがまたいいですね。
大きな背の高い2本の塔がある教会です。
内側は何度か新しくしているものの、この外壁はおよそ800年間変わっていないそうです。
入り口を探して早速入ってみましょう。
ここは入場料が、おそらく寄付だと思うのですが、
1組?2人分で10zł払うと、
ポストカードセットか、
ポストカード1枚+マグネット+しおりセットが選べて、後者を頂きました^^
観光地の一つとなっているこの辺りでは有名な
Kolegiata pw. św. Marcina
(英:Collegiate Church of Saint Martin)
日本語だとサンマルタンの聖堂参事会教会 という教会。
1150年代頃に建てられた、とても古いロマンスタイルの教会です。
とても美しい教会でしたので、しばらく写真をご覧下さい。
装飾の美しいパイプオルガン
優しい色合いの天井
主人は中央ではなく、右にあるこちらの小さい方を重視していました。
どうやら教会では一番重要なものは中心とは限らないようですね。
木製の椅子の所にも一箇所ずつ違う柄が彫刻されていました。
(左)一緒に映っている老夫婦と比べると分かるとても大きな壁画。
(右)秘密の小部屋?!壁にいきなり現れた素敵な扉。
中央の祭壇です。椅子あり、黄金の祭壇ありですが絵はイエスではない?
ここにまで壁画があるのは珍しいと思いました。
そしてAとΩのマーク。
こちらの大きなキャンドルにもAΩありました。
詳しく調べてみた所、Aはエーではなくて、ギリシャ語のアルファ、そしてΩオメガ。
新約聖書の「ヨハネの黙示録」(verses 1:8, 21:6, and 22:13) に、
主の言葉「私はアルファであり、オメガである」とあり、
その意味としては、ギリシャ文字を並べるとAから始まってΩで終わるそうで、
つまり最初と最後・・・「全て」「永遠」という意味を持っているそうです。
「最初で最後=唯一という意味にはしないのか」と、書きながら思いましたが、永遠にもっていったか・・・
よくわからないな・・・。
要は、やっぱりキリスト教ってことですね。
骸骨の死神!?
また話逸れますけど気になったので死神について詳しく調べました。
「死神ってキリスト教関係あるの?」と思ったので調べたら、
エチオピア正教会の旧約聖書の一つエノク書に七大天使の一人として出てくるそうです。
死神と聞いてどちらかというと悪いイメージだったので天使だとは思いませんでした。
「死神」という名前は死を司る=魂を運ぶ役として呼ばれているだけで、
サリエルという大天使(別名:スリエル、サラカル、ザラキエル)の事だそうです。
このサリエルの任務は、魂の看守と月の支配で、悪を犯した天使をも堕天させる役目をもっていました。
古代人にとって月というのは、太陽でもないのに夜でも明るくて、かつ満ち欠けもある謎のもので、
おまけに干潮までもたらす霊力がとてつもないものと思われていました。
更には今でも“人が生まれるのは満潮、死ぬのは潮が引く時”と謂れが残るほど、月は生死をも支配する霊力があると思われており、その月を支配出来る(している?)のはこのサリエル。
死を司るというよりも生から死んでその後まで全部に見えますね。
で、何故堕天したかというと、その怪しい霊力を持った月を支配していて、どんどん月は魔力があるなんて悪いイメージになってしまい、“それって神に反発してないか?”となったのです。
何故なら、「母なる大地」って言いますよね。月ではなく大地(地球?)なので生死が月に支配されてたらおかしいのではないか、ということです。
そしてサリエルは、その月の秘密(生命の誕生や死亡と関係している事)を大天使でありながら人間に教えてしまったそうなのです。
そして糾弾され、何も語ることなく、優雅に静かに自ら堕天したそうです。
堕天する=神に反するものになる=悪魔(悪魔は堕天使だとも言われています。ルシフェルが有名ですね) ということで、悪魔のイメージもあながち間違いではなかったようです^^
ちなみに死神には『最高神に仕える農夫』という異名もあるそうですよ。
また一つキリスト教に詳しくなりました。
しかし、カトリックでは特にだそうですが、悪魔という存在を認めてはいけないようです。
その言葉を口に出すのもよくありません。
ややこしいですが、悪魔という単語を使ったら、存在を認めてしまうことになり、
「何それ?」状態だったのが、本当に現れてしまうからだそうです。
(なので主人とは悪魔の話が出来ません。)
もちろん映画や本など現代ではいくらでも悪魔モチーフ出てきますし
単語だけで言ったらデビルなんていくらでも聞きますし、
実際は分かってるとは思うのですが、気の持ちようです。
面白いものですね。
神であるイエスの磔は中央ではなく左側の暗い所にありました。
そしてこの一角。
この一角だけ、どこかの町にワープした気分になりました。
なんて素敵な螺旋階段に、石壁、レリーフ、小さなドアなんでしょう!!
椅子は背面だけでなく側面も一つ一つ彫刻が素敵です。
当たり前なのかもしれませんが、パターンではなく、全部違う絵だからすごい。
素敵な教会でした。
正面の入り口はこちらだったようです。
ぐるっと教会の周りを歩いていたら、Kaplica(礼拝堂)の矢印。
他にも部屋があったなんて!早速入ってみましょう。
本当の小部屋です。小さな入り口に入ってすぐの所は物置のようになっていましたが、
左手にまた小部屋が。
入ってきた入り口の上にはマリア。
いましたよポーランドのイケメンイエスキリスト。
そして、何だろう、オーブじゃないのですが
玉に装飾がついたような綺麗な物が真ん中に。
椅子が2,3列、入れても10人程度でしょうか、本当に小さな隠れ部屋のようです。
主人に聞いた所、ここが一番重要な場所だそうです。
あの玉は何かと聞いたら、あれが神(を表すもの?)だそうです。
少し調べたのですがこれは良く分かりませんでした。またの機会に。
最後に、記念硬貨が作れる自動販売機があったので、さっそくコレクション!
私の旅先のお土産は最近これを集める事で満足しています^^
時間にすると1時間もいなかったと思いますが、
ここは訪れることが出来てよかったです。
次は、初の城跡へ!