今日はポーランドの子守唄について書こうと思います。
子守唄はポーランド語で「KOŁYSANKA コウィサンカ」といいます。
日本では子守唄ってもうあまり歌わないですよね。
きっとお母さんが好きな歌を口ずさむ程度でしょうか、自分も子守唄は歌ってもらっていたかもしれないですが
全然覚えていないので歌えません。
しかし、最近友達になったカシャ(15歳)が、ある日突然、
「私日本語の歌えるよ~!」と聞かせてくれたのが、
「ゆーりかごーのうたを~かーなりやーがーうーたうよー♪」
えぇ!?
ちょっと待って、なんだっけそれ!!
全然思い出せず、でもなんだかどこかで聞いたことあるようなと思って歌詞で検索してやっと分かったのです。
「あぁ!ねんねこか!」
ねんねーこーねんねーこーのところしか覚えていなかったのですが、
まさか15歳のポーランドの女の子からこの歌を聞くなんて、一体どこの誰が予想できたでしょうか。
本人も何故歌えるのか分からないそうです。
これもきっと、お婆ちゃんかもしくはひいお婆ちゃんがもしかしたら日本に一時期避難しに来ていた
子供たちの一人だったんじゃないかなと、また思いました。
(以前折り紙をよく知っていたおばあちゃんもそうなんじゃないかなーなんて。)
そしてそんなカシャがさっき、
「ちょっと聞いて!これ見て!」と送ってきてくれたyoutubeの動画。
5分ありますが、ちょっと見てみてください。
<Był sobie król>
タイトルの「był sobie król」 とは、
日本で言う「あるところにおじいさんとおばあさんがいました」というのと同じで
「こんな王様がいました」で始まるような昔話をするときに言う最初のフレーズだそうです。
日本には王様はいませんからね、この違いも面白いですね^^
さて、ご覧いただけたでしょうか。
英語の字幕もあったので、英語が分かる方はより鮮明に、
そうでなくても映像だけでもなんだかコワイですよねこれ。
「これ子守唄なの!?なんだか怖いんだけど!」と私もカシャに返事をしました。
すると、彼女が色々教えてくれました。
「私は小さい頃、いつも意味が良く分からなかったけどこの子守唄好きだったんだ。
でも今この動画見て、見方が変わったわ。
このビデオはね、
冷戦時代にお母さんが息子にこの子守唄ってあげるの。
とっても幸せな町で、大きなお城があって、誰も涙も恐れも知らない。
みんなお互いを愛し合いっていた。
そしたら突然、犬が王様を食べたの。
お姫様と小さな子はなんとか逃げることが出来た。
でも猫がお姫様を食べたの。
そして小さな子はねずみに食べられた。
ここで、この動物達を見て。
この動物達は普段お互いを狩りあってる。でもこの歌では、理由もなく人々を襲ったの。
まるで、戦争のときみたい。
(3つの国ロシア・ドイツ・オーストリアがポーランドを攻撃したし、
ポーランドには綺麗なお城があったのよ)」
ここで私、
「なーるーほーどーーーー!!!!」と合点がつきました。
「でね、最後にこの歌は、
王様やお姫様はお菓子でした~って子供たちに聞かせるために終わるの。
怖がらせないようにね。だってこれ怖すぎでしょ^^;
王様は砂糖から出来たもの、小さい子はジンジャーブレッド(ポーランドの伝統菓子の一つです)、
お姫様はマジパンってね。」
またしても私、
「なーるーほーどーーーー!!!!」
「怖すぎるから最後はジョークでしめたのね。でもこれは実際のお話だったという・・・」
「そういうことね」
「なんて深いんだ・・・」
「でしょ。これ、もうね。私が小さい頃はいつも、マジパンで出来たお姫様たちはいつも幸せだったんだけど、甘いから食べられちゃったんだくらいにしか思ってなかったの。
でも今気付いたの!これ本当の歴史じゃない!!!」
「え!?じゃカシャも今これ見て気付いたの!?」
「そうなの!今気付いたの!もーーーーーーー超ショック!!!!!」
「おぉーーーカシャーーーー泣」
「でもそれでもこの歌は好きだけどね^^」
「お父さんお母さんは本当の歴史を子供向けにして歌って・・・でもある日気付いたら・・・(!)」
「これ私子供できたら歌うべきかしら!?」
「私の両親がこれの隠された意味ちゃんとわかってるとは思わないな~多分知らないと思う。」
「だって綺麗な歌じゃない?」
「まぁでも歌い方もあるよね、これ」
「そうよ全然違うよ!私が知ってるのはもっとピースフルだもん!」
・・・ということで、そんな会話をしていて面白いと思ってここにも紹介しました^^
もしかしたら日本にもそんな子守唄あるのかな?なんて考えてみたのですが、
思いついたのは、
母さんが夜なべをして手袋編んでくれた~
かあさんは夜なべをして手ぶくろ 編んでくれたこがらし吹いちゃ つめたかろうてせっせと編んだだよ~
ふるさとのたよりはとどく~いろりのにおいがした
と・・・
私はこの歌を思い出すたびにお母さんがかわいそうになって、早く寝てね、寒くないようにね、
と言っていたのを思い出します。実際のお母さんは手袋編んでいないのに。笑
しかし母は編み物を習っていたのかなんだから機械で一気に編むのをやっていました。
あれガーガーうるさかったけど今思えば非常に興味深い・・・なんだったんだろう。
かあさんのうたも、時代背景がうかがえますね。
ねんねこのうたはあまりわかりませんけども^^;
ポーランドって子供と歌う短い歌が本当に沢山あって、歌の本もおそろしいページ数であるんですけど、
日本ってありましたっけ!?
少なくともうちはそんなのなかったな・・・忘れてるだけかな・・・
こちらの友達の家に行くと、お父さんもお母さんも次々と色々歌うんですけど、
その歌は国民誰でも知っていそうな昔からの曲のようでぽっと出の歌ではありません。
はたしてうちの主人はこういうの知っているのか謎です。
私も何も知らないので、もし子供が出来たら、どうやって遊ぼうか今から悩んでしまいます。
・・・一緒にものづくりでしょうかね!^^